この前の投稿で
男のドォルハウス 杉山武司展
をご紹介しましたが、同時開催は
砂川在住のミニチュア作家 八戸めぐみ展
杉山さんも八戸さんも1/12サイズという
縮尺された作品を作っているところは同じですが、
男くさぁい杉山さんと八戸さんは、
作風がまったく違うので(笑)
今度は皆さんに
驚きの八戸ワールドを知っていただけたら、
と思います。
The rising miniature modeler,
Megumi Hachinohe lives at Sunagawa city, Hokkaido.
She learns the skill of 1/12size modeling for herself.
八戸さんのスゴさを知っていただくにはまず
こちらをご覧いただくのが一番!
ちっっっっっっちゃっ!

(画像本人提供 以下「※」マークは同様です)
親指の爪よりも小さい切子グラスが
この世の中に存在するんですねーーー!
他にも…こちら!
左は本物のアップルパイ。
八戸さんが住んでいるまち、砂川で
多い日には1日2000個も売れるという
ナカヤの銘菓アップルパイも
彼女の手にかかると、右のちっちゃ〜なアップルパイに!
Left(Big): A popular sweet shop Apple pie
Right(Tiny): Megumi's work incredible!

でもそれを拡大すると…
え?ちょっと待ってくださいよ?
こ、これ、本物じゃないの?

…食べれる、これ、ゼッタイ食べれるパイですよ!
このパイ生地の膨らみ、最後に塗った卵黄の照り
…食べる、食べらりる!
ああ、もう日本語すらもおかしくなるほどの完成度!
Can you distinguish the real from the uneatable ?
※でも、ホントはこの大きさ、というか、小ささ!
という、驚きの八戸めぐみワールドなのであります。
しかもさらに驚きは、
こうしたミニチュア制作の技術を
彼女は独学(!)で磨いていったといいます。
冒頭の切子にしても、
棒状の透明アクリルを旋盤で回しながら
彫刻刀や模型用の刃物など
自分用にカスタマイズした道具で削っていく。
These works are made from acrylic
shaped on a lathe by her original tools.
ガラス工芸や陶芸をしたことがある方は、想像しやすいかもしれませんね。でもこちらは使っているのが綿棒というミニサイズ!
「彫刻のエッジがちゃんと見える」ところまで
彫りの再現度を高めていくそうです。
上記3点※
このミニチュア切子は作り始めて
まだ1カ月くらいなのだとか!
The pattern of glass is called “KIRICO”(切子)
One of the Japanese traditional craftwork.
Megumi tries replicating the KIRICO to the 1/12scale
that is a very hard challenge.

いま、彼女がモデルにしている江戸切子は、
実はさまざまな模様があり、上のグラスは
「菊花紋」か「七宝」がモチーフでしょうか。
「そうした伝統的な文様を
ちゃんと復元できるようになれば
アート作品として
よりクオリティが上がると思うので
今後はそこを突き詰めていきたいです!」
この美しい切子ランプの
真鍮に見えるボディの部分は木製(確か、黒檀)。
それにほっそーーーーい穴を開けてコードを通して
実際に電球が点くように遊んじゃうところもお見事です。
円柱の土台をひっくり返すと、
スイッチが付いていました。
This lamp is not only beautiful but also quietly turns on and off!

※
もうひとつ、八戸さんがユニークなところは、
ご自分の作品を撮影して
拡大プリントで見たときにも耐えうる
〈実物らしさ〉を追求しているところ。
肉眼だけでなく、
レンズという人口の眼を通しても
納得がいくものを作りたいーー
主観と客観の二つの目をお持ちです。
これはミニチュア作家として重要なまなざしかも。
前述の杉山さんは、バイクやクラシックカーを入れる
ガレージやカフェ、建具などのハード系がお得意で、
八戸さんのフィールドは
テーブルの上に載るような小物などのソフト系。
ご自分でもドールハウスを作っている方が
「これ、置きたい!」「使いたい!」と
彼女の作品をお求めになっていくそうです。
Other modelers often buy her works for their dollhouse.
ボックスフラワーも拡大鏡でのぞくと…
ご覧の再現度!
今回の展示にたくさんの方が見に来られ、
その中のお一人がおっしゃっていた
「小さいは正義!」という一言に
思わず、膝を打つ思いだったという八戸さん。
「現実にあるものでも無いものでも
小さいだけでなぜか魅力的になってしまうんですよね。
その“わー!小さいー!すごいー!”を
どうやったら1/12サイズでリアルに再現できるのか。
それを実現するために
素材も道具も作り方も丸ごと考えるのが
難しくてワクワクします!」
とミニチュア制作の楽しさを語ってくれました。
切子シリーズ、ぜひ、極めてほしいなあ。
Someone says, “small is beautiful”.
Regardless of existant one or imaginary one,
They see the small endearing.
To create the super-real smallest piece,
which material is proper?
which tool is better?
and How to make originally ?
Megumi enjoys those labyrinth.
さあ、皆さんもご一緒にご唱和ください。
「小さいは正義!」
会場で正義の作品たちがお待ちしています!
現在好評開催中! 2月25日(日)まで
10:00〜18:00(最終日〜17:00)
同時開催 男のドォルハウス 杉山武司展
会場はこちら 茶廊法邑(さろう・ほうむら)
札幌市東区本町1条1丁目8-27 電話011-785-3607
「みなさん、ぜひ遊びにきてくださーい」
男のドォルハウス展で遊ぶおちゃめな作家より
What a cutie she is !