浅生鴨さんトーク@札幌 書肆吉成20181030

自分でも忘れないように
iPhoneでメモしていた記録をざざっとコピペします。

2018年10月30日。札幌・書肆吉成での
作家・浅生鴨さんトークレポート。


2018年9月5日発売の浅生鴨さんエッセイ集
『どこでもない場所』(左右社)、
発売一カ月で重版決定(会場から拍手)!
今回はそれを祝っての札幌トーク。

会場は札幌市中央区にある新刊古書書店「書肆吉成」。
司会進行もご店主の吉成さん。
しっかりと本書を読み込んで付箋だらけにしている
吉成さんによると、このエッセイ集には「迷う話」が多い。

浅生「今日も新千歳空港からJRに乗るつもりが、
なぜかバスに乗っちゃいました。しかも各駅停車」。

吉成さんがつけたトークイベントタイトルは
「本屋で迷子になる方法」。

浅生さんの本屋歴を聞く。
こどものころに通ってたのは、
阪急電車に直結の新刊書店と商店街の古書店。

どっちも「次、これ読め」と店主が勧めてくれた。
おかげで書物を体系立てて読む経験を積めた。
書店主が客のことをよく知ってた時代。
どっちの店も阪神淡路大震災でなくなった。

小学3年生だった浅生さんは、勧められて
筒井康隆『エロチック街道』なんかも読んだらしい。
浅生さん「間違った勧めですよね」。

阿佐田哲也とかも強烈だった。
まわりの友達は途中から少年ジャンプ。
浅生さんはジャンプ系よりも
『マカロニほうれん荘』『らんぽう』。

いま好きな書店はここ、というのはないけれど、
棚が面白いところは立ち止まる。

書店は書店主の好みを出すしかない。
それを見て「受け入れます」という人たちは「相当受入れる」。

「うちなんかどうですか?妥協の産物なんですが」
と恥ずかし気に聞く吉成さんに対して
「いやいや」と返す浅生さん。

「『芸術新潮』が狂ったようにあったり、
ヒットラー系がちょこちょこ。
『妥協の産物』とおっしゃっていますが、
その妥協のハードルが高いと思う。
今日は札幌の吉成さんでトークだと言うと、
家の人にカードを取り上げられた。
いまも(買うのを)相当ガマンしています」


旅先の話。どの国でも本屋に行く。楽器屋も。
楽器屋はその国の値段がわかる。
楽器イコール無駄な文化に(富裕層は)
これくらいお金を出すのかという目安。

あと、そのまちの地図を買う。

18歳まで神戸で育った。
坂を上ったら北。北海道は坂がない。
「札幌の住所って東西南北はっきり書いてありますが、
僕の中では(坂になっていないと)それは北でもなんでもない。
北をちょっと持ち上げたらよかったのに。惜しい」


吉成さん「“迷う”つながりで買物とかも迷いますか?」。
浅生さん「いえ」と即答。

この日着ているTシャツも同じものを12枚もってる。
靴下は黒と決めている。
今日も実は左右厚さが違っているけど、
見た目にはわからないからいい。

エッセイの話。
「描写もしっかりしていて、たとえも秀逸」
遅読の吉成さんが4時間で読んだ。

でも結局浅生さんて「誰」なんだろう?
わかっているのは奥付けの情報(1971年生まれ、神戸育ち)。

浅生さんの回答
「ひとは非常に多面的。普通は相手によって
(態度や言うことが)ばらついたりしますが、
僕はばらけたままでいい。統一する気がない。受注体質」

肩書きをつけるとしたら?
「名刺も持っていないし、肩書きもいつも相手任せ。
 最近は作家、プランナーが多い」

レコード会社にいたこともある。
有名なアーティストは担当していなくて企画もの。
金魚売りの声をラップにしたり。

吉成さん「どんなときに気持ちを上げたいですか?」
浅生さん「うれしいとき、楽しいときに気持ちをあげたい。
気持ちが落ちてる時はそのつらさをしゃぶり尽くしたい。
せっかく悲しいのにもったいない。
“もうダメだ”って言いたいじゃないですか。
それを長引かせたい」

このあと、浅生さんがかなり深刻な交通事故にあい、
PTSDになった話も。

そんな壮絶な体験をしつつ、エッセイ集は軽妙洒脱。
基本は誰にとっても「あるある」という話を書いている。
「さらっと書かれるとやられた!という気持ちになる」と吉成さん。

エッセイは頭から順書きした。

最後の見開きに謎の「ポイントカード」あり。
「40迷子」で浅生さんから認定証がもらえるらしい。


●質問タイム 「 」は質問者。地の文は浅生さんの回答。

・「ネタ帳はありますか?」
どうでもいいことをメモしてる。
ものを覚える気がないのでメモしとかないと忘れちゃう。
人生のことはほとんど、どうでもいい。
普段は手帳。ボツにしてる小説もある。
発注されてから考える。

吉成さん「エッセイの中に
“現実と僕の間に半透明な膜がある”と書いているその膜は、
古本保護のグラシン紙じゃないか」
浅生さん「オブラートとかシャボンくらいの感覚」


・浅生さんのTwitterファン
「浅生さんみたいに、
 ものの見方に遊びを取り入れるコツは?」
世の中をなめてかかることです。
「結構世の中甘い」と思っていれば大丈夫です。


・「NHK_PR1号だった中の人をやめたあとの野望は?」
野望とかはなくて、ただやめた。
やめることが求められてるなと思った。
もともと「NHKの外の空気を(局内に)持ち運んでほしい」
と乞われて入社したけれど
10年近く働くと“NHKらしく”なってきた。

もとの発注をまっとうするためにやめた。
(今も外注スタッフとして番組を作っている)
それが受注のプロですよね。


このあとは雑談的に…。

物を書く時はBGMなし。
いまはデンマーク放送のラジオを聴いている。
何を言っているかわからないから
いい感じのノイズになる。

北海道産黒豆の納豆は美味しい。

いまハマってるものは海外ドラマ。インドの刑事もの。

ゲーム会社にいたこともある。
女の子を口説くゲームが馬鹿受けして
会社がレコード会社を立ち上げ、そっちに異動した。
それまではゲームセンターのゲームを作っていた。


という1時間強でした。

会場、びっっっっくりするほど女性陣多し!

オシャレな若い男女や
ハイセンスなおねえさんたちが多くて、
「ほぼ日」ファン層だなと感じました。


以上、メモでした。

by miminibanana | 2018-11-01 21:36 | レポート | Comments(0)