映画感想『細雪』の男たち

2/11水曜。おはようございます。

昨日テレビで映画『細雪』やってましたね。
1983年制作の市川崑監督作品。

いやあ、何度見ても す ば ら し い 。


このブログのタイトル「耳にバナナが」は
伊丹十三監督のエッセイにある一話からとりましたが、

その伊丹氏が役者で出ています。

大阪の名家の婿養子に入った肩身の狭さと開き直りを
実にナチュラルに演じていて、よかったなぁ。

義理の両親の法事に頼んだ吉兆のお弁当を食べ、
(頼む前は「高い高い」と文句を云っていたのはどこへやら)
「いやあ、やっぱりうまいわ」と喜ぶくだりなんて最高!


その伊丹と同じく、美しい四姉妹に振り回される婿養子を
市川作品の超常連、石坂浩二が演じました。

この人は次女の婿はんですが、
実はいつまでも嫁に行かない三女、雪子(吉永小百合!)に対し、

光源氏と紫の上の関係さながらに
「僕の小さなお嫁さん」的な懸想をしている、
という不埒な役どころ。

妻(佐久間良子)と話をしながら、
そばにいる雪子の帯締めをなにげなく触る、
なんていういやらしい演出、
あれは監督の指示だったのかなぁ、それともアドリブ?


本家の格式を背負う長女は自分の殻を破ったときに泣き、

姉への気遣いや好き勝手な妹たちにわずらわされる次女と
世間知らずで自由奔放な四女は、ことあるごとにヒステリー泣き。

「見合い」という品定めに頑迷に我を貫き通した三女ですら、
保護者であった長女の東京行きにぽろりと涙を流したのは、
自らの巣立ちを予感してのことでしょう…。


そんな美女四人の涙をフィルムにおさめつつ、
市川崑監督が最後に撮った「泣き」のシーンは誰あろう、

紫の上を失った光源氏、幻の恋に破れた石坂浩二でした。


あの金田一耕助役に象徴されるように、
市川崑監督がいかにこの名優を愛していたのか…。

それにこたえる石坂浩二もすばらしかったなぁ。

実に滋味深い1本でした。私のベスト10映画に入っています。

by miminibanana | 2015-02-11 09:23 | 世間話 | Comments(2)

Commented by ミセスロビンソン at 2015-02-11 21:05 x
細雪
懐かしい
着物の美しさと桜が散る美しさに目を
奪われた記憶が蘇りました。




Commented by miminibanana at 2015-02-11 21:29
そうなんです!
着物と桜をあれほど美しく撮った
日本映画はそう、ないと思います。
市川崑監督の美学にうっとりしちゃいました。