ホップコタン醸造・堤野貴之さんインタビュー!

●「耳にバナナが」オリジナルインタビュー!


薫風の季節に、ビール業界の新星誕生!
北海道で気持ちのいい“事件”が起きています。


忽布古丹(ホップコタン)醸造株式会社 
堤野貴之さん インタビュー

「やってきたことは
 間違っていなかった」
最高のスタートから実現する
ホップコタンの世界


北海道はようやく風薫る季節を迎えたばかりだけれど、

2017年のクラフトビール業界を振り返る年末にはきっと、
「今年の重大ニュース」に入るであろう、
気持ちのいい“事件”が起きていた。


発生時刻は今年5月10日の18時ごろ、

北海道・上富良野町で開業する新ブルワリー
「忽布古丹(ホップコタン)醸造」が呼びかけた
クラウドファンディング・プロジェクト、超スピード達成の快挙である。


《道内唯一のホップ生産地、
 上富良野で
 地ホップ100%の
 クラフトビールをつくりたい!》

「北海道・上富良野で、地ホップ100%の超希少クラフトビールをつくる!」

ホップコタンの代表であり、
ビールづくり10年以上のキャリアをもつブルワー、

堤野貴之(つつみの・たかゆき)さんの声に応じた
全国の支援者の行動は素早かった。


横のつながりが深いと評判の
クラフトビール業界の仲間をはじめ、

全国各地のビアバーや飲食店関係者、
愛好家たちが「ポチッ」とした結果、

クラウドファンディング開始後、
わずか18時間で目標額650万円を達成!

2日目には支援額が1000万円を超え、
堤野さんの心中には喜びだけではないざわめきが走った。


現在は、新たな目標「ストレッチゴール」1,800万円を掲げ、
5月22日段階で1,500万円強の支援が集まっている。

(しかも募集終了まで残り「33日」もあるのだ!)


これはもう立派な “事件”と呼んでもいいのではないか。

渦中にいる堤野さんに札幌でお話をうかがった。
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悩み抜いたリターンの中味
ブルワリーのカラーを伝えたい!


◎驚きの18時間目標達成、おめでとうございます!

堤野(以下略) ありがとうございます。

いまはもう、ただのうれしいだけじゃなくて
コワイという気持ちもありますし、
でもやっぱりほっとしたような。

僕が使ったクラウドファンディングプラットホームの
「CAMPFIRE」には、
プロジェクトの予約投稿機能がなくて、

スタート日と決めた
5月10日の深夜0時ちょうどに開始ボタンを押したら、

あとは寝ちゃおうと思っていたんです。


ところがポチッと押した後にもう一度画面を見たら

「…ん?んん?え、ちょっと、おいおいおいおい…」という勢いで

みるみる支援が集まっていくのがわかり、
眠気が吹っとんでいきました。

皆さん、本当にありがとうございました!



◎いくつかあるプラットフォームのなかから
「CAMPFIRE」を選んだ理由は?

手数料と先方が設けている審査基準を各所比較してみて、
一番しっくりきたのが「CAMPFIRE」でした。

手数料が8%に、決済手数料は5%。

手数料がもっと高いところや
「リターンを半年以内に返すこと」というところもありましたが、

僕の場合はまだビール工場もできていないのでそれはムリ。


諸々の条件を考えていったら「CAMPFIRE」に決まりました。



◎「リターン」は全部で14種類。3000円の「お気持ち支援コース」から
100万円の「あなたのビールつくりますコース」(一人申し込んでいる!)まで
幅広く用意されましたね。

リターンの中味を何にするかは相当考えました。

通常、ものづくりプロジェクトのリターンは
その商品そのものを送るのが一般的だと思いますが、

実はその送料も冷静に考えると
決して少なくない金額になりますし、

しかもホップコタンのスタートアップは
「樽生」から始めると決めていた。

ボトルビールはそのあとに出す計画でしたし、
だからといって支援者の方々に樽を送るわけにもいきません。


そこで考えたのが、
3万円コースからのクラウドファンディング限定の会員サービス。

今回限定で発行する倶楽部カードをお持ちの方には
半永久的に特典をご用意する「末長いおつきあい」をお約束しています。

こういうことをするのも、単なるビールの味だけじゃなくて、
お客様と築いていきたい関係性や倶楽部カードのデザインなどを含めて

「自分はこういうビール文化を目指したい」という
ブルワリーのカラーをきちんと表明しておきたかったから。

ホップコタンの意思表明をはっきり示すことが大事だと思っていました。



◎その狙いどおり、一番人気は
3万円の「末永くおつきあいコース」です。
(5月22日時点でパトロンは153人)

「3万円 末永くおつきあいコース」と
「5万円 プレミアムなおつきあいコース」の違いは、

後者になると
今後の半永久的なおつきあいの中で特典に差が生じます。

そのプレミアムならではの特典のスタートが、

2018年予定の
「上富良野ホップ収穫体験&現地飲み放題パーティー!」です。

この初摘みは北海道でも例のない、特別な体験になると思います。


僕のいちおしはやっぱり5万円コース。

これまでのビールづくりを通して自信があるから設定した、
思い入れの強いコースです。


「ホップコタン」の味の要となる上富良野町のホップ農家さんとは、
僕がノースアイランドビール在籍時に業界の集まりでお会いしました。

「誰か私のホップを使ってみたい人はいませんか?」と
呼びかけてくださって、

“地ビール”づくりへの思いを互いに共有できた。

その農家さんのホップを「使いたい」という思いが、
徐々に「上富良野で使いたい」という妄想に暴走していった感じです。

ゆくゆくは、
地元の大麦農家さんともおつきあいを広げていきたいです。



◎「忽布古丹(ホップコタン)醸造」の名称はすんなりと決まったんですか?

今回のプロジェクトのなかで一番悩みました。

わかってはいるんです。

普通は読めないし、すぐに入力変換できないから
ネットの検索にも出てこないですよね(笑)。

それでも、込めたい思いを考えるとどうしてもこれしかなかった。

別案で地名の「かみふらの」を入れるとか、

絶対付けることはないと思っていましたが
全国的に有名な富良野イコールラベンダーの連想で
「パープルなんとか」とか。

ほかにもいっぱい考えましたが、
結果は一番わかりづらいものになった(笑)。

本当にこれしかなかった、というのが正直な気持ちです。



堤野(ツツ)で「…22円」
業界で培った人脈に感謝の恩返し


◎プロジェクト管理者の堤野さんは、
支援者の詳細情報を把握されているんですか?

それがCAMPFIREの設定上、

コメントが反映されるタイミングや
リターンお申し込みの決済が終わり、
僕のところに通知が来るまでにタイムラグがあるようで。

「どこのどなたが、どのコースを支援してくださったか」を
正確に把握するには、プロジェクトの終了まで待っている状況です。


当初はハンドルネームでコメントを入れてくださった方に
「多分あの人だろうな」と思って

「ご支援ありがとうございます!」とメールを入れたら、
それが人違いだったりして…。

3人くらいにご迷惑をおかけした時点で、
「いま動くのはやめよう。
全部終わってからあらためてご挨拶しよう」と悟りました。


途中で支援総額の末尾が「…22円」になったのは、

どうやら僕、堤野のニックネームが
「ツツ」だと知っている身近な誰かが、
冗談で支援金額プラス22円を振り込んでくれたから。


「ツツ」だから22円(笑)。

誰がそうしたのかは、プロジェクト終了後にわかるお楽しみです。



◎超スピードの目標達成、さらにストレッチゴールにも
徐々に近づきつつあるこの結果をどう受け止めていらっしゃいますか?

今回支援をしてくださったのはおそらく、

僕がこの10年近くのビールづくりで直接出会った方々や、
あるいは僕が作ったビールをどこかで飲んでくださった方々、

そして今回の情報拡散で
興味を持ってくれた皆さんだと思います。

実際、アクセスの大半が
Facebookからだということもわかっています。


ちょっとエラそうな言い方になるかもしれませんが、
今回の結果を得て、今年で42歳になる自分が

「これまでやってきたことは間違っていなかった」

という確信を
皆さんのご支援からいただいた気がしています。


クラフトビール業界は作り手同士もそれを売るお店側も、
飲んでくださるお客様もすごくつながりが深くて、

ご支援のコメントを見ても

「大阪のどこどこのビアバーのマスターのブログで
このプロジェクトを知りました」とか、

友達の友達は…的に情報がどんどん拡散していった。

もし僕が新規の作り手だったら、
こういう結果にはならなかったと思います。


そう考えると、いま痛烈に感じているのは
「ひとは一人では何もできない」ということ。

これまでもわかったつもりではいましたが、いまのいまは心底そう思います。

ファンディング用の企画書や表現の相談にのってくれた
ライターの大阪さんや、

目標達成に必須だった動画を作ってくれた映像作家の奥村剛さん、

動画にもファンディングページにもコメントをくれた業界の仲間、
そしてホップコタンの新しいデザインワークを考えてくれた友人…

もう、これからの人生、生きているうちに
恩返しをしたい人が多すぎて数えきれない(笑)。


いまは金融機関と細かい話をつめたり、
新工場のプランを練っている最中ですが、

皆さんからのご支援で「やるぞ!」という気合いも手応えも十分です。

上富良野の地ホップで作る
ホップコタンならではのビールを実現することはもちろん、

これまでクラフトビール業界にいて
自分が人間として成長できた部分もあわせて、

ご協力いただいた皆さんにこれから恩返しをしていきたい。


皆さんが実現を待っていてくださる
「忽布古丹(ホップコタン)醸造」のブルワリーのカラーを、
思いきり爆発させていきたいです!


◎お話ありがとうございました。

堤野さんのクラウドファンディング・プロジェクトは、
現在も支援を募っています。

終了は6月23日(金)。
あなたも、この気持ちのいい“事件”の参加者になってみませんか?


「北海道・上富良野で、地ホップ100%の超希少クラフトビールをつくる!」

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取材・文 佐藤優子 
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by miminibanana | 2017-05-24 13:18 | レポート | Comments(0)