5/19金曜。
わ、昨日はここを更新しそびれちゃいましたね。
昨日は早起きをして1本書いて、
それからあわてて着替えて、映画館へ。
ただいま、昨年の5月12日に亡くなった
演出家・蜷川幸雄さんの一周忌追悼企画として
ステージの傑作選を映画館で上映する
「蜷川幸雄シアター」をやっているのでした。
週替わりで上映作品が異なり、
第一週目は「ジュリアス・シーザー」。
ローマの支配者であったシーザーの暗殺と
その後の“正義”をめぐる血みどろの闘い。
かの有名な
「ブルータス、おまえもか」のセリフが出てきます。
ローマの絶対支配者シーザーを阿部寛がやるかと思いきや
シーザーはベテラン舞台役者の横田栄司が。
そのシーザーの徐々に肥大介していく野心を危惧し、
「このままでいいのか」と悩む高潔なブルータスを
(シーザーはブルータスの人柄を見込んで頼りにしていた)
阿部寛。
そう、実はこの芝居は、ブルータスが主役なんです。
ひとり苦悩するブルータスに
シーザー暗殺をもちかけ、焚き付けるキャシアスは
シェイクスピア俳優、吉田鋼太郎が、
シーザー暗殺後、すばやい智謀と巧みな弁舌で
ローマ市民を「打倒ブルータス一派」に導く
シーザー派のアントニーを
天才、藤原竜也が演じました。
いやあ、彼ら実力派の4人を揃え、
しかもそれぞれの適役に配した時点で
この芝居はもう、ザ・蜷川ワールド。
どのキャラクターも繰り返し口にした
「高潔」「公明正大」という本作のテーマを軸に、
真っ白なトーガ風衣装を
血の色に塗り替える権力闘争が繰り広げられました。
ああ、いいものを大きなスクリーンで観れる幸せ!
「蜷川幸雄シアター」の上映は、
北海道は札幌シネマフロンティアだけ。
とても貴重な機会ですので、
タイミングがあう方はぜひ、
ご覧になることをおすすめします。