日常のはじまり
さ、始まりましたよ。日常が。
今日は原稿&取材デイ。
以前違う書店さんで取材した方が転職されたようで、
その方にお話を聞くのは二度目(企画は別)になります。
よかった、書店員を続けていてくれて。
なんて勝手に思ったりして。
あと、突然ですが、これからしばらくの間、
私のおすすめの一冊を更新していこうと思います。
今日はこれ。
ポケット版『「暮しの手帖」とわたし』著書 大橋鎭子(暮しの手帖社)。
今やっているNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」の元ネタとなった
「しずこさん」の回顧録。
「暮しの手帖」は編集長の花森安治さんが有名ですが、
創刊以来、花森さんのかたわらにはいつも「しずこさん」あり。
一度「こう」と決めたら、テコでも動かない。
弾丸娘のようなしずこさんがいたからこそ、
花森さん亡き後も「暮しの手帖」は続いたのでしょう。
しずこさんを通して学ぶ花森流雑誌づくりは、
時代というもっとも厳しい審判の目にも充分耐えうるものでした。
モノクロ撮影なのに、
なぜ紅赤(べにあか)の生地を探せというのか。
真っ赤に直しをいれられた原稿に添えられたことばとは。
10歳で父の葬儀の喪主をつとめ、
母妹たちと戦火をくぐりぬけながら
「とと(父親)」がわりに一家をけん引、
93歳まで生涯現役を貫かれた
しずこさんの「明け暮れ」は
多様なライフスタイルの渦に巻き込まれそうな
いまの私たちには実に強く、清々しく映って見えます。
ぜひご一読ください。
by miminibanana | 2016-05-09 11:28 | 世間話 | Comments(0)