映画『レッド・ファミリー』
韓国映画『レッド・ファミリー』を観る。
す ば ら し か っ た 。
ティム・バートンの〈黒いおとぎ話〉のような一面もあり、
動かしがたい現実の政情を克明にとらえた
セミフィクションのようでもありました。
登場人物は北朝鮮の工作員4人。
韓国でスパイ活動をするために〈疑似家族〉となって潜入します。
隣に住む、いがみあってばかりいる韓国人家族のいさかいを見ては
「あれが資本主義の限界だ」と軽蔑しますが、
自分たちも「脱北」しないように24時間監視され、
母国に残してきた家族の安否を気にかけながら
暗殺などの非情な任務を果たしていく極限状況の中で、
喜怒哀楽をむき出しにつながっている隣家族の存在が
北朝鮮一色だった彼らの心の中で大きくなっていく…
というお話です。
脚本・編集は日本にもコアなファンが多い鬼才キム・ギドク。
今回の監督は自分を師と慕う若手に譲ったようです。
時おり、脱力するような笑いをまぶしつつ、
怒濤のラストに流れ込んでいく
100分間のストーリーメイキングは脱帽の一言。
〈最後の大芝居〉を見届ける私たち観客に
「ところであなたの家族はどうですか?」と
重たい刃を突きつけてきます。
ネタバレにはなりませんが、
「野ウサギ」の扱い方なんてホントうまい。
母になったオンナは強い。
あそこにもまたひとつの家族像があるんだもんなあ。
札幌ではスガイシネマただ1館で、上映中です。
『レッド・ファミリー』傑作でした!
http://redfamily.gaga.ne.jp/
by miminibanana | 2014-11-28 18:42 | 世間話 | Comments(0)