芝居「12人の怒れる男」感想

5/18日曜。今日も雨。休業日。

ス ト ー ブ つ け ちゃ っ た 。


昨日は札幌でお芝居「12人の怒れる男」を観ました。

陪審員役の12人は舞台上にほぼ2時間出づっぱり。

凝った舞台セットもなく、
自分以外の11人の位置関係を常に意識しながら
立ち居振るまわなければならないという

本人の実力がダダもれになるストレートプレイです。


ステージは丸テーブルを囲んで陪審員たちが語り合う設定で
客席はそのステージをはさむように二手に分かれた配置。

となると、やはり自分の席からつねに顔が見える役者と
背中を見つめる役者がいることになるので、

そうした配置も観る側の思い入れに影響を与えているはず。


私の席から顔が見えた「移民」役の陪審員がよかった、
と思うのもそれと関係していると思うけど、
たたずまいに静かな説得力があって強く印象に残りました。


ベテラン二人が対峙する「ナイフを貸してみろ」の場面も
ぞわりとするような緊張感がありましたね。


数年前に蜷川演出の舞台「12人」を観たときは
「無罪」と言い出した彼は中井貴一、
「あのガキがやったんだ!」と最後まで言い張る
とーさんが西岡徳馬。

貧民街出身の若者は筒井道隆が演じていました。


筒井道隆はこの「12人」のパロディ作品
三谷幸喜脚本・演出の「12人の優しい日本人」の舞台にも
ものすごくオイシイ役で出ています。

映画版には若きトヨエツも出ていて、確かDVDにもなっているので
この舞台で「12人」を知ったひとはぜひ続けて観てほしいな。


時代を越えて、というか逆に
「不寛容さ」が幅を利かせてきた今だからこそ自問したい。

人を裁くとは。自分だったらどう考えるのかーー。


これからも考えることをやめたくないテーマを
客席に投げかけた、見応えのあるステージでした。


あと、このイレブンナイン版の「12人」は
フライヤーのメインビジュアルが大変すばらしかった。

いい意味で不穏な感じがして、
あれで観たくなった人は多いと思う。

手がけたのは撮影も担当したクスミエリカさんだそうです。拍手。

by miminibanana | 2014-05-18 18:17 | レポート | Comments(0)